『征誅刀伝』はシェアワールドコンテンツです。

シェアワールドとは、世界設定を共有し、そこで共有された用語を用いて創作された小説や漫画など、複数の著作者の著作物およびその設定そのものを言います。

例えば、Ａという作家が制作した漫画で描かれた『華虚時代の濃代地方』と、Ｂという作家が制作した小説に書かれた『華虚時代の濃代地方』はシェアワールドにおいて、同じ時間軸と場所を指します。

　提供された世界観設定を使用し、オリジナルの登場人物で作品制作するのは、二次とはならないのがシェアワールドです。

　他の著作者の登場人物であったり、公式にない設定を使用する行為は二次創作となります。

　但し利用者間で合意の上、相互で登場人物や展開を広げるのは、二次創作にはあたりません。

　架空の大陸、「仰波大陸」を舞台とした世界です。

　文化や文明などはかつての日本とよく似ていますが、神代の痕跡を残す遺跡や遺物、悪鬼・幽鬼と呼ばれる魑魅魍魎が存在します。

　ここに住む人々にとって神は「信じる存在」ではなく、神はいることが「確定された存在」です。

一方で大禍とよばれる災害で、テクノロジーや文化は、大幅に後退しており、災害以前にあった高度なテクノロジーは殆ど後世に伝わっていません。

　そんな世界を神の武器「征誅刀」を中心において制作されたのが「征誅刀伝」の世界です。

　征誅刀とは、天の眷族である刀神子の血が混ざった鍛冶の一族である夜藝一族が、生み出す武具の総称です。

　山河を割り、悪鬼・魍魎を斬り、道理にあわぬものは斬らないと伝えられる刀ですが、その製法は一族の秘中の秘とされています。

　最初の征誅刀が刀であったり、刀の形状が一般的であることに起因して「刀」と呼ばれていますが、実際は刀以外の形状も存在しています。

　また最初の征誅刀は、大禍の原因とされる「龍なるもの」を斬ったとして大陸に語り継がれています。

　征誅刀は夜藝一族が、これと決めた主が現れた時に、その身を神との契約によって刀に転じることで現れます。

　成ったばかりの刀は、人としての部分が存在するため、人の姿に戻ることも可能ですが、個体差はあるもののいずれ、武具状態の姿に固定されます。

　儀式や制約については各村落毎で徐々に変化していきましたが、刀神子の血が遺伝していない一族の人間は転化できません。

　ちなみに夜藝一族の男性が刀になると、陽刀・○○、女性の場合は陰刀・○○と銘うたれます。

　刀の銘になる部分は殆どが元の人間の時の名前のままですが、稀に主が付け直すことがあります。

　物理攻撃も霊的攻撃も可能とされる征誅刀ですが、実際は最初の刀と規格外と伝わる一振りを除き、征誅刀の多くは物理攻撃か霊的攻撃のいずれか片方しか得手としません。

　例えば、悪鬼・幽鬼の退治が得意な征誅刀の物理攻撃は、そこそこの大きさの石を割るのも精一杯です。

　これは征誅刀の形状や能力が、元になる夜藝の人の性質や心の在り方に由来するからです。

　また能力が心の在り方に影響されるためか、主との関係性や行動などにより、妖刀化する可能性もあります。

　ちなみに完全に刀化した後、（妖刀化等の特殊な状況でない限り）人化の状態で刺されたり、怪我をするような事があったとしても、死ぬことはありません。

　ただし刀化して日が浅い時期に通常の人と同じような大怪我や大病を患ったり、本体の刀が折れたりすると死亡します。

　夜藝一族には暗黙のお約束があります。

　前者は妖刀化絡みで半ば慣習化されており、夜藝一族の里であれば、ほぼ親から子へと伝えられる内容です。

 後者については、ある種の迫害や捕縛などを避けるために守られています。

　征誅刀だけが斬れるとされる悪鬼と幽鬼ですが、これはあらゆる生き物の負の感情が凝ってできる魑魅魍魎です。

　実体があるものが悪鬼、ないものが幽鬼と定義されています。

　悪鬼に分化するか、幽鬼に分化するかは、混ざる感情の種類によって決まります。

　稀に後天的な合体や吸収により、悪鬼が幽鬼に、幽鬼が悪鬼に変じることがあります。

　華虚時代を起点に征誅刀の使用目的は、大きく変化していきます。

　これは大禍以降、遣い手をはじめとする多くの人々の意識が、復興から繁栄へと変化していくからです。

　大禍直後である祈久時代では、残存する強力な悪鬼・幽鬼の退治がメインでしたが、華虚以降、繁栄のための戦乱へと時流が変化するにつれ、征誅刀の使用法も政治的な駆け引き、または戦時の超兵器としての扱いへと移行していくのです。