筆者
西ノ宮 勇希
代表作(ゲームシナリオ)
「MSSING PARTS
the TANTEI stores」
「雨格子の館」「奈落の城」
「時計仕掛けのレイライン」
「琉球異聞 朱桜の繋」
他多数
登場人物
浅葱結左衛門
後濃国家臣・浅葱家当主。
父の急逝により若くして家督を継ぎ城主となった。
戦上手な知将として同国家臣団の間でも何かと頼られる存在。
あらすじ |
||
戦国乱世。真砂の如き数の士が争い斃れ後の世に“砂士”と呼ばれた時代。 華虚の時代に栄華を極めた二大国の片割れ神和住家は、その傍流が濃代南部の後濃国にかろうじて血筋を繋いでいる。 だが神和住家の若き当主・光衛は紺天教に傾倒、隣国・颯良の猛攻にも関わらず戦場にも姿を見せず家中の士気は地に落ちていた……。 |
序章・古濃隅の戦い砂士の時代も半ばを過ぎた頃。濃代南部の後濃国は隣国・颯良に 攻め込まれ、数百年続いたその歴史は風前の灯であった。 だがそこへ国を留守にしていた軍師・浅葱結左衛門が戻ったが―― |
報われぬ凱旋戦勝報告に主城へ謁見に来て結左衛門らだったが、国主・光衛は すべて紺天様の御加護と労いもそこそこに祈祷所へ引きこもる。 このままでは国が傾くと家臣らは訴えようとするが、実権を掌握する 光衛の叔父・清三郎に退けられてしまう……。 |
草の香りと紺の陰り菜乃が夫の為に草餅を作るために山菜を茹でていると、 浅葱家の女中たちが集まってきた。 皆が主人のために尽くす奥方を手伝いたいのだという。 菜乃は浅葱家に嫁いだ幸せを噛みしめるのだった。 |
扇の街城下の様子を見回りに行く結左衛門達。 久々に戻った城主に喜ぶ領民に囲まれ穏やかな一時を過ごす。 子猫を見に行った結左衛門を待つ山吹は、ふらりと現れた甚四郎から 不穏な国内の情勢について聞かれ……。 |
雑木の寺甚四郎と別れた結左衛門ら一行は、城下に一つだけあるという 紺天教の寺を訪ねる。 一切手を入れられていない雑木に埋もれるような小寺には、 年老いた僧が一人きりで住んでいた。 |
蟠り睦井儀兵衛らが訪れると聞き、急ぎ城へ戻る結左衛門達。 結左衛門は菜乃にも子猫の世話を頼み、確執ある舅、儀兵衛から遠ざける。 一方、使いに出された勘左衛門は鍵谷の物見小屋へと甚四郎を訪ねたが、 そこにもう一人の人物が現れる……。 |
それぞれの思い甚四郎の前に現れた律之介は、甚四郎に出奔し颯良へ来るよう誘う。 あなたほどの者が、後濃で飼い殺しにされて続けることはない、と。 一方、浅葱の城での話し合いは不毛なまま終わったが、結左衛門は 主城に建てられたという紺天教の寺院を見に行く……。 |
軍議の裏で軍議中の結左衛門らを待つ山吹は、古濃代城城下の街をひとり散策し 城下はほぼ変わりない様子であったが、思いがけない人物を目撃する。 一方、勘左衛門は再び鍵谷の物見小屋を訪れ、甚四郎とともに つかの間の平穏な時間を過ごすのだった。 |
決意鍵谷を訪れていた勘左衛門、そして主城に出向いていた結左衛門一行は、 それぞれ帰路につき再び浅葱家の城へ戻る。 後濃国主、光衛は相変わらず信仰に耽る中、いよいよ結左衛門はある 突拍子もない決意を口にするのだった――。 |
前夜後濃の命運をかけた計画実行の前日、浅葱家の面々はそれぞれに 悔いを残さぬよう思い思いの時間を過ごす。 墓所を参る者、あえていつもどおりの時間を過ごす者… そして勘左衛門は鍵谷の物見小屋を訪れていた。 |
棘策を用いて夜半には立ち入れぬ寺院へと侵入した結左衛門と山吹。 そこへ何も知らず現れた光衛と慈淵に対し、彼らは衝撃の事実を告げる。 一方、勘左衛門率いる騎馬隊は、なりふり構わず逃亡を図ろうとする 清三郎ら佞臣達と対峙していた。 |
旅立ち古濃代城に建てられた紺天教寺院。 そこに祀られていたものは結左衛門の言う通り紺天様ではなかった。 正体を表した悪しきもの、そして刀に成れなかったものを屠るべく 結左衛門が迎え撃つ。 |
枷後濃を蝕んでいた憂いは、ひとまずは断たれた。 しかし、歪んだ棘と化した妖刀の欠片はまだ残されており、 その始末の手段を得るべく甚四郎と山吹は、手がかりを求めて 山吹の生まれ故郷の村を訪れる……。 |
鬼の居ぬ間に甚四郎らが旅の道中にいるその頃。 後濃国内では、光衛が慣れぬ政務に苦心しながらも、衝撃から立ち直ろうとしていた。 一方、鍵谷にいた勘左衛門の元には来訪者があり……。 |
不吉の兆し騒動から一息ついた後濃国。 颯良は当面攻めては来ないだろうと家臣らがそれぞれ過ごしている頃 修繕が行われていた砦には古濃代川から何か異様なものが近づいていた……。 |
山麓の出会い山道を北へと向かう甚四郎と山吹。 道なき道を進む二人は、道中河原で野宿しようとしていたところ地元の猟師に出会う。 一方主城には光衛の母から便りが届いていた。 |
山麓の出会い甚四郎と山吹は、猟師から村に伝わる猪狒々なる化け物の怪異譚を聞く。 何故か引っかかりを覚えたらしい甚四郎の提案で、 二人は村の禁忌である化け物の塚へと向かう……。 |
猪狒々九岩村の塚を越え、山奥へ進む山吹と甚四郎。 村に現れたのは果たして本物の伊佐良上人だったのか? 生い茂る雑木の土の下に空洞を見つけ、二人は『猪狒々』と呼ばれたものの正体を知る。 |
足りない棘光衛が命じた寺院の取り壊しは順調に進んでいた。 しかし、その様子を見ていた光衛は、結界の中に封じられていたはずの『棘』が 一品足りなくなっていることに気づく…。 |
紀集院壱久城下で不審な死を遂げた男の死体が発見され、結左衛門は調査を始める。 一方、甚四郎と山吹は、紀集院壱久なる史学者のもとを訪れていた。 |
帰還甚四郎は鍵谷の物見小屋に、山吹は浅葱の城にそれぞれ帰還した。 山吹が旅で得た情報を報告していた時、 禄兵衛が目覚め不穏な気配があると告げる。 |
帰還浅葱家の裏山に突如現れた悪鬼の群れ。 時雨の危機は間一髪で間に合った結左衛門が救ったが、 禄兵衛では仕留めきれない大きさのものが現れた。 結左衛門は、山吹に刀と成る覚悟を決めよと促し…。 |
怨念の末路結左衛門らは主城に悪鬼襲来を知らせた。 光衛は下手人を城に呼び出し決着をつけよと命じる。 そして、城内にて鬼と化したものが正体を表し、 甚四郎は槍と成った山吹を持ってそれを屠る―― |
優しさ怨念が全て払われたことを、目を覚ました禄兵衛とともに調べて回る結左衛門。 光衛は屠られた者達を弔う石碑を建てていた。 そして、甚四郎と山吹は今度こそ後濃を出立する……。 |